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プロローグ

 アスタロスにとって、今や邪教集団と大神官クンペトクーは、
目的を阻む障害に過ぎなかった。
 己の生まれた邪神殿に舞い戻り、その神殿を完膚なきまで破
壊したアスタロスは、クンペトクーをすんでのところで逃して
しまう。だが、彼の去り際の一言をきっかけに、自分にはモデ
ルとなった人間が存在していたことを知る。「白い巨人」。己
のモデルであるその者こそが、この地上においてもっとも大き
な魂に違いない。その魂を邪剣の生贄としてくれよう……。
 巨体の影が動き出した。次の目標は定まったのだ。
 だが、アスタロスは気付いていない。その思考の根底にある、
作り物ではない、完全な存在になりたいという願望に……。

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