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当たり屋グループ(あたりやぐるーぷ)とは、自動車・バイクなどを用いてターゲットとなる相手に交通事故を起こさせ、法外な損害金・賠償金などを要求してくると考えられているグループのこと。都市伝説である。

この情報については、会社やガソリンスタンドなどで「当たり屋グループが近辺に出現している」などと題したチラシのようなものが配布されて知る機会が多いだろう。

当たり屋グループ出現チラシの内容例

当たり屋グループが来ました。気を付けて運転して下さい

  1. 下記ナンバー車と接触事故を起こした場合は、その場で示談せずに直ちに警察に連絡する事
  2. 警察が到着する前に、自分の勤務先や氏名、電話番号は絶対に言わない事
  3. このコピーを車内に備えておく事
  4. 友人、知人に知らせてあげて下さい

要注意ナンバー(30台?36台が箇条書きに掲載)

  • このナンバーの車が前を走行している時は、急に車が止まっても当たらない車間距離を保って下さい。(サイドブレーキを使用するのでストップランプはつきません。)
  • ○○(地域名)ナンバーの他、△△(地域名)方面の車にも気を付けて下さい。
  • 運悪く事故を起こした場合は、警察に連絡すると同時にこの資料をチェックするだけで逃げていくケースも有るそうです。

要注意ナンバーは「品川ナンバー」「大阪ナンバー」「山口ナンバー」など様々だが、情報が出回る地域ではその地域以外のナンバーで情報が出回ることが多いようである。また、当たり屋グループの手口として「ターゲットにする車を2台の車でサンドイッチ状態にし、後方からパッシングをして煽り、前方の車はサイドブレーキを使って急停止する(前の車に追突させる)」「道をゆずるフリをし、ターゲットの車が通り過ぎようとすると急発進して当てる」「公務員・女性が狙われやすい」などと紹介しているものもある。

発端・広がり

一説によると、こういった情報は1985年前後より各地で出回り始めたと言われる。一時はテレビや週刊誌でも採り上げられることがあった為、この都市伝説は仕事で自動車を運転する人を中心に全国的に広まった。情報の広まり方としては、チラシのコピー・さらにそのコピー...と続けられていくうちに文字がつぶれて判別しにくくなったり、別の文字(数字)に置き換えられたりして様々なパターンの内容が出来ていったと考えられる。(一説によると、そのパターンは全国で200種類以上にものぼるという)

警察の見解

リストのナンバーを警察が実調査したところ、既に廃車になっていたり、存在していなかったり、記載されている車種と実際の(車検証登録の)車種が異なるものばかりであったという。ゆえに警察としては単なる「ウワサ」「デマ」であると判断し、「これらの車が当たり屋であるという事実はありません」「当たり屋グループ情報に惑わされないで下さい」と呼びかけている。

是非について

今でも会社などで、職場内の回覧・社内LANにおける掲示板・電子メールなどで「当たり屋グループ」についての情報を流し、注意を呼びかけているところも少なくない。こういったことが行われる背景として、

  • 「法外な賠償金を要求される」などと不安を煽っていること
  • 有益な情報であると思い込み、善意で多くの人に知らせようとする心理があること

それゆえに情報が広まっていることである。これはちょうど、パソコンネットワーク上でチェーンレター・デマウイルスなどが広まっていく形態とよく似ているとも考えられる。従って、パソコンなどの世界で当たり屋グループ情報を広めることはあまり好ましくないとも言えよう。

また、チラシに書かれた特定の地域・ナンバーを見て、「○○(地域名)は運転マナーが最悪」「△△(地域名)はガラが悪い」などと偏見を持たれるようになるとも考えられる。もっとも、最近の自動車のナンバーは地域名の後ろにつく数字が2ケタから3ケタになっており、2ケタ時代のナンバーは廃車などにより今後少なくなることから、以前出回っていた情報も徐々にすたれていくと思われる。しかし、元々は何の根拠も無く作られたリストであり、万一、自分の車のナンバーが「当たり屋グループ」のリストに勝手に加えられていたりすれば、決して気分の良いものではないであろう。

以上の観点から、この情報に接する機会があったとしても本気にしないか、或いは情報提供者に対し「これは何の根拠も無いもの」と教えてあげる方が良いと思われる。

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