バッチ処理(コンピュータ)バッチ処理(バッチしょり)とは、コンピュータで1つの流れのプログラム群(ジョブ)を順次に実行すること。あらかじめ定めた処理を一度に行うことを示すコンピュータ用語。反対語は逐次処理またはリアル処理。 「バッチ (batch)」という言葉は、プログラマがプログラミングをする際、紙にコードを書き、紙テープか80カラム仕様のパンチカードにパンチしていった時代の言葉。カードまたは紙テープはシステムオペレーター (sysop) に渡され、オペレーターはタスクのスケジューリングをし、コンピュータにカードまたは紙テープを投入していった。スケジューリングされたタスクは直ちにシステムに入れられたのではなく、一緒にまとめて投入されたので(バッチとは、複数の似ているものを1つのグループとして生産、処理すること、または一緒に集めて1つのユニットとして扱うこと。en:Batchより)、これらのタスクの集まりを「バッチジョブ」と呼ぶようになった。 バッチジョブは一度設定されると人間の手を煩わせることなく動作する。そのため入力データもスクリプトやコマンド行パラメータを通して予め用意される。この点でユーザーの入力を必要とする対話型プログラムとは対極にある。 バッチジョブは相互対話式の思想に基づく処理の仕組みではないが、IBM の CICS のようなトランザクション処理システムもテクニカルな視点から見ればバッチジョブとして動いている。もっとも、その部分はユーザーから隠れて見えない部分である。 バッチ処理には以下のような利点がある。
バッチ処理は歴史的にはメインフレームと同義だった。このクラスのコンピュータは非常に高価であるため、上述したような理由でバッチ処理が行われた。また、初期のコンピュータでは端末からの対話的利用はほとんど行われなかった。 現在では「バッチ」と言えばUNIXオペレーティングシステムが連想される。様々な計算ジョブを制御された順番に行う強力なユーティリティがUNIX向けに存在する。このようなユーティリティをジョブ管理システムという。ジョブ管理システムは各種UNIX用やWindows用のパッケージが市販されている。 MS-DOSのバッチファイルの由来はここから来ている。 |