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口裂け女の伝承にはさまざまなバリエーションが存在する。

マスクをした若い女性の姿で現れ、学校帰りの子供などに「わたし、きれい?」と訊ねながらマスクを取る。すると、その口は耳元まで大きく裂けているという。この時「きれいじゃない」と答えるとその場で鎌で斬り殺され、「きれい」と答えると家までついてきて玄関口で斬り殺される。殺されない為には「ふつう」と答えるしかないと言う(1978年頃に京都で流布したパターン)。2000年頃に再び小学生の間で噂になり、殺されない為には「まあまあです」と答えれば良いと言われた。

血の目立たない真っ赤な服をきている、血の目立つ真っ白い服を着ているなど服装に関する噂も多い。身体能力は「100メートルを3秒で走る」(6秒説もある)ほど高く、白バイを追い抜いたという噂もある。

この都市伝説は全国各地の小学生・中学生に非常な恐怖を与え、パトカーの出動騒ぎ(福島県郡山市・神奈川県平塚市)や、連絡簿に注意事項として記入されたり(東京)、集団下校が行われたりした(北海道釧路市)など、ヒステリー状態をもたらした。

話の出所としては岐阜県美濃加茂地方で教育熱心な怖い母親の姿が由来だとも言う説の他、愛知県近県で家庭の財政難のために子供を塾に行かせたくない母親が娘にした話が様々な変化を伴いながら、全国に広まったとする説など諸説ある。いずれにしても、中京地区が発祥である点はほぼ一致した見解のようである。

口裂け女から無事逃げるには様々な方法があると伝えられている。広く知られたものにべっこう飴とポマードがある。べっこう飴は口裂け女の好物であり、これを与えると口裂け女が夢中でなめている隙に逃げられるというもの。また「ポマードポマードポマード」と三回続けて唱えると口裂け女がひるむので、その隙に逃げられるというものもある。こちらは口裂け女となってしまった原因が、診療を受けた歯科医(一説に形成外科医とも)のポマードがあまりにも臭くて治療中に思わず顔を背けてしまい、口が裂ける受傷起点になってしまったというエピソードに由来するといわれている。また、以前に口裂け女の付き合っていた彼氏がポマードをつけていたともいわれている。特にべっこう飴説は広く人口に膾炙し、当時のパソコンゲーム「平安京エイリアン」にもプレイヤーが敵を足止めするアイテムとして取り入れられた。三軒茶屋や三宮など地名に「三」のつく場所に多く現れると言われる。

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