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ビットマップ画像(びっとまっぷがぞう : bitmap image / bitmap graphics)とは、コンピュータグラフィックスにおける画像の形式のひとつ。画像を格子状に多くの細密な点(ピクセル、pixel)に分割し、その点の色や濃度をRGB等の表色系を用いて数値として表現することによってコンピュータのデータとして扱う。これに対し、画像を、その画像を作成するための作成情報を数値や式として表現することによってコンピュータグラフィックスのデータとして扱うものをベクトル画像と呼ぶ。

ビットとは、格子によって分けられたひとつひとつの部分のことである。このビットのことをピクセル、ドット(点)とも呼ぶ。

呼称

元々は、白黒2値の画像(すなわち、各点の色は白か黒のいずれか)をビットマップ画像と呼んでいた。これは、画像の1点1点が2進数の1ビットに対応(マップ)するからである。しかし現在では上記のようにベクトル画像に対する表現として広く使われるようになった。なお、この白黒2値の画像と区別するために「ピクセルマップ画像」と呼ぶこともある。また、かつてのグラフィックス・ワークステーションで広く用いられていたX Window Systemでは白黒2値画像を保持するデータの型を"Bitmap"、各点に色情報をもつデータの型を"Pixmap"と名付けている事より、カラーのビットマップ画像のことを「ピクスマップ」と呼ぶ人もいる。

また、ビットマップ画像は、点が線上に並んだもの(ラスター)の集まりであるとして扱われる事が多いので、「ラスター画像 (raster image / raster graphics)」とも呼ばれる。このことより、ベクトル画像をビットマップ画像に変換する作業は「ラスタライズ」と呼ばれる。ただし、面の陰影付けや透明度の処理を行なうなどの、高度な処理を用いてベクトル画像データをビットマップ画像化する場合には、「レンダリング」と呼ぶことが多い。

解像度

ビットマップ画像では、縦方向、横方向それぞれに、単位長さあたりに何ドット分のデータがあるかによって、データのきめの細かさが変わる。このドットの密度の事を解像度と呼ぶ。

また、1ドットで表現できる色の種類のことを色解像度、色分解能等と呼ぶ。

いずれもビットマップ画像を考える際には重要な要素である。

インデックスカラー

ビットマップ画像のデータは画素一つ一つに対して色情報を持つが、色を直接データとして持つのではなく、あらかじめ決められた少数の色の番号を画素毎のデータとする事によりデータ量の大幅な削減をはかる事がある。このような色指定の方法を、インデックスカラーと呼ぶ。

インデックスカラーはビットマップ画像の種類としてたいへん重要なものである。

ガンマ補正

ビットマップ画像の各画素のデータは、基本色の色の強さの組み合わせである事が多い。光の3原色である赤・緑・青で色を表現している場合、理論的には全てが0パーセントの時に黒、全てが100パーセントの時に白となるはずであるが、画像を表示・印字するデバイスの特性によりそうならないことがしばしば発生する。例えば、赤の発光体だけが若干強めであり、全て100パーセントの色を表示しようとしたら薄く赤みがかってしまったなどということが起こる。

このような際には、表示の直前で各基本色の強さを調整して「白は白で表示する」ように補正をかけることが行なわれる。この補正操作の事を「ガンマ補正」と呼ぶ。また、ガンマ補正に必要なパラメータ(つまり「赤は緑よりも○○%弱くする」など)の事を「ガンマ特性」または「ガンマ値」と呼ぶ。ガンマ補正処理を行なう事を、画像処理の分野に携わる人たちはしばしば「ガンマをとる」「ガンマをかける」と表現する。

さらに、表示デバイスなどは色の強さの再現が直線的ではなく、「50%の強さの赤を指示したのに100%の赤の半分の光量になっていない」ということがしばしば発生する。これはデバイスの特性ばかりではなく、ディスプレイなどが設置された環境に依存する事も多く、デバイス自身があらかじめ完全に補正する事は困難である。

このため、表示上の色の再現性に特に留意する場合には、各基本色毎にデータ上の色の強さをデバイス上の色の強さに変換するための表を用意する事がある。これはデータ値と表示光量の相関を示した曲線グラフとして示される事が多いため、このパラメータを「ガンマグラフ」と呼ぶことがある。また、上記「ガンマ特性」「ガンマ値」という言葉でこの表パラメータを指す事も多い。

スキャナで写真をデジタルデータ化し、プリンタでそれを印刷する際などには、スキャナとプリンタそれぞれのガンマ特性を考慮してガンマ補正を行なわないと、元の写真と同じ色を再現出来ない。このため、ビットマップ画像データの中にスキャナなどのガンマ特性を付加情報として保存しておくということが行なわれる。このように、ビットマップ画像データに色再現のための情報を付加する事を「カラープロファイリング」(color profiling)と呼ぶ。アップルコンピュータが開発した「ColorSync」というシステム(規格)は、このカラープロファイリングのための規格で、現在多くのデバイスメーカなどが対応している。なお、カラープロファイリングと呼ぶ場合、単にガンマ値の情報だけではなく、どの表色系を用いて色の補正を行なうべきかといった情報も含まれてくる。

画像圧縮

一般に、ビットマップ画像は画素1点について1〜4バイト程度のデータ量を持つ。A4サイズで600dpi、1ドットあたり色解像度が24ビット(3バイト)のビットマップ画像の場合、(8.27 inch x 600 dpi) x (11.69 inch x 600 dpi) x 3 = 約104x106 bytes = 約100メガバイト となり、かなり巨大なデータとなる。(一般用のコンピュータのメインメモリの容量が100メガバイトを超えるようになったのは、ごく最近のことである。)

このため、ビットマップ画像を外部記憶装置に保存する場合や、通信回線で受け渡す場合には、このデータを計算処理により圧縮しデータ量を削減する。このとき、圧縮後に元のデータを完全には再現できないものを「非可逆圧縮」、全く同じデータに戻す事ができるものを「可逆圧縮」と呼ぶ。非可逆圧縮の場合には、「人間の目で見て変化ができるだけ分からないように」という指標に基づいて情報量を減らす事ができるので高い圧縮率を得ることができる。実際、可逆圧縮に比べ非可逆圧縮の圧縮率が格段に高いため、情報量が多い写真等のビットマップ画像を保存するときのフォーマットにはJPEG等の非可逆圧縮が用いられる事が多い。しかし、いわゆる「ベタ塗り」部分の多い画像は、自然画に最適化されたJPEGでは、画質の劣化が目立ちやすく圧縮率も高くないため、GIFやPNG等を用いることが多い。GIFやPNGは可逆圧縮であるが、元画像の色数が少ない場合には実用上十分に高い圧縮率を得ることができる。(GIFやPNG圧縮を行う際は、圧縮率を高めるためにあらかじめ適当な方法で減色操作を行う場合が多い)

ファイルフォーマット

代表的なビットマップ画像のファイルフォーマットには次のようなものがある。

  • TIFF - Tagged Image File Format
  • GIF - Graphics Interchange Format
  • PNG - Portable Network Graphics
  • JPEG - Joint Photographic Experts Group
  • BMP - Microsoft Windows Bitmap Image
  • XPM - X window Pixel Map

狭義には、上記BMPフォーマットの画像の事をビットマップ画像と呼ぶこともある。

単純なファイルフォーマットでは、各ピクセルの色情報をそのままファイルに記録する。基本的にはバイナリデータだが、UNIXの画像形式であるX11 Bitmapなど、一部の形式はC言語のソースコードとして記述されるものもある。また、バイナリデータであっても、色数が多いとファイルサイズが大きくなるため、通常は圧縮を施している。このとき、同じファイルフォーマットであっても圧縮方法の差異によりいくつかの種類に分かれる事がある。

その他

コンピュータソフトウェアにおいては、ビットマップ画像を編集する(絵を描く)ためのソフトは一般には「ペイントソフト」と呼ばれる。対照的に、ベクトル画像を編集するソフトは「ドローソフト」と呼ばれる事が多い。これは、画像編集ソフトがいち早く充実していたMacintoshにおいて、ビットマップ画像を編集するソフトの初期の代表格が「マックペイント」、ベクトル画像を編集するソフトが「マックドロー」という名前であった事に由来する。


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