「おいおい後ろから狙っちゃ反則だぜ?」

 もしスキッドの対応が少しでも遅れを取っていたら、クリスは見えない場所から重症、下手をすれば死を頂いていた事だろう。

 既に話を聞く体勢すら取れなくなっている男を見下ろしながら、煙の立ち上がる銃口を上に向け、格好をつけるかのように台詞を飛ばす。

「スキッド君、どう? 私の実力」

 クリスはスキッドによって背後にいた男が倒された事に気付いていなかったのか、それとももっと別の言葉をかけたかったのか、先程までは刃物のように鋭くさせていた水色の瞳をいつもの丸みを帯びた柔らかさと可愛らしさ瞳に戻し、スキッドに近寄りながら今の場面を訊ねる。

「いや、あんまよく見えなかったけど、ハッキリ言うと見事だったぜ!」

 事実、スキッドの場所、部屋の中だった訳だが、壁が邪魔になり、全体を見渡す事は出来なかった為に、最初の言葉がそうなった訳であるが、ドアの前で奮闘していたクリスの姿だけはしっかりとスキッドの緑色の目が捉えていたのだから、最終的な感想だけは述べられたのである。

 拳銃を握っていない左手の親指が立たされ、それによってその奮闘の素晴らしさが映される。

「やっぱり? ありがと。実はこれミレイからちょっとだけ教わったの。護身術の一環で」

 予想通りの反応を見せてくれたからなのか、笑顔を混ぜながらクリスは対応し、そしてこれだけの体術をどこで身に付けたのかを簡潔に話す。



――だが、ある意味で暴力的とも言えるこの動作アクションにスキッドが少しも恐れないと言うのは、
ある意味で凄い事かもしれないが……一応女の子ではあるが、動作アクションは男も顔負けなのだから……――



「なるほど、あいつもおっそろしい女だったってわ……、って来た! お前近距離頼む!」

 スキッドはクリスにその技術を教えた少女、勿論それはミレイであるが、内面的な強さを想像しようとするが、それは即座に打ち切られ、クリスに近くの防衛を頼み込み、そしてスキッド自身も拳銃に力を入れる。

 通路の奥から拳銃を携えた男が数人現れたのだ。だらけた精神が一気に引き締まる瞬間でもあった。





◆ □ ◇ ■休息はもう終わり 優勝劣敗が反映される空間内で、超克と敗走が再びぶつかり合うデリーティングリスピレーション/スニアーリング・フローム・ミノタウロス・アンド・ガーゴイル!!■ ◇ □ ◆

――こいつら、どう行くのかな?

――度胸ある勇者ミノタウロスのように、自分らを信じてとことん殺るか殺られるかラブ・アンド・ヘイト・ランドの空気を吸い続ける?

――石で身を守る臆病者ガーゴイルのように、逃げ道だけを模索して常に静穏と死傷からの遁走ディスカーディング・カリッジ・スピリットを求めて駆け回る?
















£ まあ、そんな事見てりゃあ分かるよね〜 £

£ でも男の子スキッド女の子クリス、この二人がどっち選ぶかは、考えるまでも無いかぁ〜 £
















■男が飼い慣らした銃弾、そして拳銃ブレット・アンド・ガン

狙われた標的スキッドとクリスは素早く曲がり角へと逃げ込み、下劣且つ凶悪な弾丸スプリンターロックを回避する。

―>んで回避された弾丸ファイヤーは?

―>壁にめり込んじゃったよ。軽く欠片飛ばしてね

―★人間が喰らったら痛いに違いないよ〜

―★下手すりゃあ死ぬよ〜



■でも男はどんどん距離を詰めてくるし、なんか隠れた場所の奥もちょっと危ういよデンジャラス・ターン

―>なにせ隠れたとこのすぐ近くにも分かれ道がある訳だから、敵がやって来てもおかしくないよね?

「いたぞ! 死ねぇ!」

野蛮過ぎるぞ男達よ。二人の姿見るなり突然暴言吐きながら木材の棒で殴りかかってきたからね。

―>そう言えば、近距離担当ダイレクトアタッカーって、誰だったっけ?

さあ、誰でしょう。こんな下らないクイズフーリッシュゲームなんかしてないで、単刀直入に行きますか。



――男子を虜にする可愛らしさリスキーテンプテーションと、実は隠されていた強さシークレットドミニオンを持った、あの女の子クリス――



「甘いよ!!」

■クリスの左手に力がみなぎり、丸棒に雷が走るインパクトテンション

右腋から引き抜くように振られた丸棒はまずは一人目ザコを容易くぶちのめす!

――バシッ!!

「うあぁ!!」

情けない話である。体格はなかなか素晴らしいと言うのに、
少女クリスを叩きのめす前に逆にぶちのめされるとは。

―>でもまだ一人残ってるよ



「おらぁあ! 始末してやらぁあ!」

★うわぁあ!! ヤバヤバ!! 油断してるとクリス殴られちゃうよ! 丸棒で!☆



■でも、一人目ザコを倒したクリスの水色の瞳ブライトファングは相変わらず尖っている……

―>上から降りてくる丸棒レインストライクの軌道を逃さない!



縦に迫ってくるならば、横にずれればいいだけの話である。
クリスは左へとその身体を飛ばし、その過程で傾いた身体から
一気に左足に凶暴な力ブレステイキングホワイトを走らせてくれるのだ。

「私は負けないからっ!!」

□きっと色々な意味が混ざってると思うよこの気合には



―>思えば少女は左利き

―>手も足も同じ事

男の狙うべき部分ロックオン、首筋目掛けてハイキック!!



★あらら、男ったらすぐやられちゃった。二人目も結局ザコ?☆



▼ ▲ □ ◇ 最早二人は黙って置いといても充分なんじゃないのか?プラクシマル・アンド・ディスタンス/フォルトレスコンビネーション! ◇ □ ▲ ▼

■□わお、凄い凄い。遠くから攻めてくる拳銃の男デーモンガンナー遠距離専門スキッドが全て始末してくれてるよ〜

□■うっかり至近距離まで入ってくるアタッカーバカタレ近距離の少女クリスがぶちのめしてくれてますね〜

▲△曲がり角コーナーは彼らにとっては立派な堅牢な盾マスクラーシールドとして働いてくれてますぜ

△▲容赦無く飛んでくる銃弾キラービーズカーニバルを弾き飛ばしてくれるってなんて立派な事!


□■★■□

でも弾き飛ぶ壁の木片ドライダスト鈍く響く着弾音コラプスブレスは常に二人を緊張の縄フェロシャスシェイクで縛りつけてくれるんだよ

□■★■□








£ 所で、金髪と深紅の髪の事、覚えてるかな? £

£ 今はその二人も大変らしいよ £








「こいつらっ!!」
「デッドかアライブかだぜ!!」

■フローリックとジェイソンの持っている機関銃マシンガンは今も吠えている!

―>銃口マズルから無数の銃弾デッドリーバレットが発射され、奥であらがう敵を残酷に黙らせる



―ダダダダダダダ!!!!

―ピキィン!!!!

―ドォン!!!!



様々な不愉快な音ディライションミュージックが豪快に響き、そして更には断末魔の叫びクライングコープスすら響き渡る。

通路の角にその身体を隠しながら二人は迫る狂人キラーズを追い払う!

――ひとまず落ち着いたから、二人の男は宛先もロクに考えず、奥へと目指す!

「所でジェイソン、出口ってどこなんだ?」

フローリックは実の所、正しい道筋ホープガイドを把握していないようである。
隣を共に走る深紅の長髪男ジェイソンに目的地の場所を訊ねるが、きっと場所が解明される事は無いだろう。

「おいおい、ドンノーに決まってんだろ? おれらブラインドの状態でここに来たんだぜぇ? 分かってたら超能力者じゃねえかよ〜?」

ジェイソンだって分かるはずが無い。

――ここに連れて来られた時はほぼ目隠し状態ブラインドフォルド 道筋ルートを覚えている等普通ありえない話

それでも二人はかっ飛ばす足ランニングを止めるような真似はまずしない。

▲当たり前だ。何が当たり前かって?△



―>今後ろからじゃんじゃん追っ手チェイサーが迫ってきてるんだよ?

―>あれだけの銃声パーシステントサウンドが響けば誰だって場所の特定ファインディングベイト出来るしね

―>それに、分かれ道の脇にいる銃装備の男達インターフィアーアセイランツも容赦無く発砲や追跡バーキング・アンド・サイティングをしてきてるよ



―ダダダダダダ!!!!

―ピキィン!!!!



―>逃げる二人の周辺に散らばる弾丸デビルズが超恐ろしいね。掠れば軽症、直撃すれば確実に移動不可能スモールブロウ・オア・ビーディプライブドエネルギーへ移る……

―>ん?



■危ないよ〜? 今二人が走っている通路の横の扉から機関銃装備の男マシンガンプレイヤーが現れたよ?

「死ぃ――」
「お前が死ね」

男はきっと思いっきり叫び狂いながら、「死ねぇええ!!!」とかほざきながら乱射しようとしたんだろうが、
フローリックの冷静な判断スティーリーリーズンと、短くも、無慈悲な言葉グリムインショートストーリーと共に引かれた引き金トリガー男の運命イグナラントフラッシュを変えたのだ……。

フローリックの弾丸ジャスティスショットは一瞬で判決アンサーを下すのだ!

―>無数の弾サルトリーステアリングが体内へ撃ち込まれ……

―>激痛と惨苦サンダーボルトが全身へ走り……

―>血液レッドフエルを撒き散らしながら……

―>身体を支える両脚の力ファウンデーションが消え失せる……

―>それは、それぞれの勝利スマイルと、絶命サッドネスを意味する……



★★★★★☆☆☆☆☆  三国志 残酷志  バイブル・オブ・ダークネスレバレイション/ジェノサイドサッチアズザヘイル☆☆☆☆☆★★★★★



決して今の一瞬の間だけに限られた戦闘聖書ウォリアーズレーファランスでは無い。
今も撃って、隠れて、逃げるメンテナンスオブコンバットスタイルと言った、これを意識し続けるその二人の様子を見れば、
完全に全風景をそのままそのようにうたっても文句を言う愚者アホは誰もいないにまず違いない。

流石はハンターと言う死と隣り合わせの世界エクスターミネイトカジノで生きてきただけの事はある。
フローリックとジェイソンゴールド・アンド・クリムゾン機関銃マシンガンと共にこの窮地を走り抜けているのだ。
最早仕留められる強者メタリックセットラーはいないのだろうか?







θ 逃げたあの二人の空間で/Chicken's world θ

「やっべぇなぁ……。もうドンチャン騒ぎ始まっちまったぜセシルよ〜」

 濃い紫色の長髪の男は銃撃戦が繰り広げられているであろうこの裏世界の戦場から離れたであろう個室で、隣にいる灰色の髪と髯を持った太った男に話しかける。

「ちょい今回は厄介もん連れて来ちまった訳か……。どうする? 俺らも戦うか?」

 セシルと呼ばれたタンクトップで自分の筋肉と共に肥大化した身体をアピールするような服装をした男がだるそうに痩せ型の男に聞く。

「いや、あいつらにやらせといて充分だろ? 数だって多いし、銃でわんさか狙われてちゃあその内蜂の巣にでもなってお陀仏だろうし」

 痩せ型の男は臆病な精神からか、それとも不要な戦いには敢えて参加しない主義なのか、銃撃戦に対しては不参加と言う形を提案し始める。

「まあ確かにそうだなぁ。俺らがたった二人加わったとこで対してなんも変わらんだろうしなあ」

 セシルはあっさりと納得し、そしてわざわざ加わる理由があるのかと言う理論を立て、今も続いているであろう銃撃戦はただ見ているだけの側になる道を選ぶ。

「あ、そうだ、一個言い忘れてたぜ」

 痩せ型の男は突然何かを思い出し、部屋を後にしようとするセシルを呼び止める。

「あぁ? デビット、なんかあったのか?」

 セシルは背中をデビットに向けたまま、顔だけを後ろに向けながらそのデビットが言いたいであろう内容を聞こうとする。

「あいつ、戻ってきたってよ」

 デビットはただ、単刀直入に言いたい事だけを口に出す。

「あいつ? 誰だよそいつ」

 一番肝心な部分を言わなかった為に、セシルは理解する事が出来ず、同じく単刀直入に正体を聞こうとする。

「あいつだよ、ノーザンだよ」





† スナイパーオブカラペイス/Command Type−winkleえぐりとる †





大分だいぶまいたかおれら」

 フローリックは機関銃マシンガンを手放さず、そして周囲の警戒を怠る事無く走り続けながら、やはり隣を走り続けているジェイソンに訊ねてみる。

「なんでそんな事いちいちアスクしてくんだよ? スケアリーになっちまったのか?」

 ジェイソンから見れば聞く必要性が無かったと思ったのだろうが、彼がそのような事を訊ねてきた訳だから、何か恐怖に駆られたのではと思ってしまい、やや小馬鹿にしてやるかのように、わざとらしく笑いながら言い返してやった。

「別にそうじゃねえけどよぉ、一生こんなん続いたらこっちの身ぃ持た……うわっ!」



―ダダダン!!!

―バリリリ!!!



■二人のすぐ上を銃弾シェルが飛び交った訳だから恐ろしい話

多分背後から飛ばされた物だろう。
壁をえぐり、小さな木片ドライニードルを降らしてくれる。
相手も機関銃マシンガンだから、実質的には両者の立場コンディションはほぼ同じ。

違うのは、ただ、技量スキルだけだ。



思わず両者は身を屈めるが、その後の行動はもう分かっているだろう。



――背後に向かっての乱射攻撃ストッピングゲームである!!――



「しつけぇ奴らだなぁ!!」
「それエクセレントな、だな!!」

フローリック、そしてその後に続く言葉を思いつけずに終わってしまったジェイソンも、
自分らの機関銃を吠えさせる。

これでもう充分だ……









ζ 排除と炎色えんしょくの射撃手/The Magnificent Cleaner ζ

――意外と簡単に決着ケリがつきそうだ……

――相手は盾らしい盾プロテクションミーンズが皆無だぜ……

――向こうは対人用アボーション、こっちは対飛竜用スプリーム……

――やはり攻撃面キラースコーピオンでも、防御面ヘビーブルでもこっちが圧倒的有利……

――すぐに血に塗れた肉塊スペッサルティンボーンにさせてやる……

――さあ始めようはっはっは……









「あいつらか……」

二人の男の進路を塞ぐように、その射撃手は現れる。

「あぁ? なんだあいつ」

■フローリックの橙色をした威圧感を携えた目が例の存在を捉える





        ――〜〜 デンジャープロファイル / Soldier Data 〜〜――

Feature T ◇赤色レッドタイプが目立つ白のラインの混ざった甲殻に守られた隙の無い全身ライフポイント

Feature U ◆脛部けいぶの外側及び、腕部わんぶ肩部けんぶに生えた小さくも、痛々しい棘◆

Feature V ◇まるで外部からの一撃サプライズアクシデントを受け付けないであろう膨らんだ胸部きょうぶ及び肩部の防衛壁カタフラクト

Feature W ◆赤い世界バーミリオンパーソナリティとは一線を画した真っ白な仮面グレアーヴァイパー

Feature X ◇そして、武装しているボウガンは、火竜の上質な鱗や甲殻トロフィーズ・フローム・キングを利用して作られた、飛竜殺しの特攻兵器ブレイジングハート

Feature Y ◆その姿は、通称……◆




                ☆ 赤殻蟹せっかくかい装備 ☆




        ★★★★★    END    ★★★★★





「相当なアームストロングだぜ、ありゃ」

 ジェイソンはその分厚い武装を見るなり、相当な腕力の保持者だと読むが、敵対する男は褒め言葉に一切動じる事は無かった。

「殺してやる……」



■白いマスクに隠された顔により、表情はまるで読めない……

―>だが、言葉だけは恐ろしいほどに素直

―>銃口マズルから飛ばされる贈り物デスタッチ……



「やべっ!!」
「マジだぜ!!」

向けられた銃口から放たれる殺気に咄嗟に反応を覚えた二人は即座に隣にある扉の中へと飛び込んだのだ。

△危なかった

▲巨大な弾丸が空気を斬ったのだから……



元々飛竜ワイバーンを黙らせる為に作られた弾丸シェルだ。
弾速は対人戦用の銃トイイグニッションによる弾丸に比べれば明らかに劣っている。

だから二人組は軽々と回避出来たんだろうね。

だが、破壊力パワーは並大抵のものでは無い。
最悪な強度を誇る飛竜の甲殻ドラゴンハートすらぶち破る威力だ。
人間が喰らえばまずお陀仏ジ・エンドだぜ。

まあ、対人用の弾丸チープギフトでも喰らえばほぼおしまいアウトだけどね。



さて、逃げた二人はこのまま逃げるのかな?

□いや、違う!

金髪の男フローリックは横から上体だけを曝け出しながら機関銃マシンガンを発動させたのだ!

「あんにゃろ!! 武具なんか着てやがっぜ!!」

フローリック側は単なる私服であり、防具性能ガードパワーは皆無に等しいのに対し、
相手は飛竜の攻撃シビアータックルから身を守る防具等を纏っているのである。

防御面での差ハンディキャップに多少の悔いを思い浮かべるが、機関銃からの銃声カオスフレイムは止む事を知らない。



■だが、フローリックの攻撃は赤殻蟹装備の男には通用しなかった

向こうも危機を察知し、一度隠れたのだから、壁が盾となり、全てを防ぐ。
いくら防具が全ての銃弾を弾いてくれるかもしれないと言う信頼があるとは言え、
やはり必ず脆い部分も存在するのだから、男の動作はきっと正しかったに違いない。

――弱い場所と言えば、やはり関節部分だろう……

――動く為には関節が柔軟でなければいけないのだから……



「甘すぎる……。必ずブチ殺してやる……」

■隠れながら、男は笑う

仮面マスクの下で、誰にも見えない笑顔ブラインドスマイルを作り、
むくろと化した二人の姿を妄想しやがっている。
そして、ブレイジングハートを吠えさせようと、企む……





§ Despair Situation-α §



































£ 所で、 £





£ 赤殻蟹装備のボウガン男、どっかで見た事無かったっけ〜? £

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